こんにちは。埼玉県川口市、「東川口駅」より徒歩8分にある歯医者「河野歯科クリニック」です。
入れ歯はただ装着できればいいわけではなく、自分の顎や口腔内にしっかり合っていることが重要です。特に、噛み合わせのずれは、口腔だけでなく全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。
この記事では、入れ歯の噛み合わせが悪くなる原因やそれによるリスク、噛み合わせが悪い場合の対処法について解説します。日々の不快感を放置せず、快適に過ごせるよう参考にしてください。
噛み合わせが悪い入れ歯を使い続けるリスク
噛み合わせが悪い入れ歯をそのまま使用し続けることは、様々な深刻な問題を引き起こす可能性があります。ここでは、そのリスクについて詳しく説明していきます。
口腔内への直接的な影響
噛み合わせが合わない入れ歯を使用していると、入れ歯と歯茎の接触面に過度な圧力がかかって、歯茎に炎症や潰瘍が生じることがあります。これらの炎症は痛みを伴うだけでなく、細菌感染のリスクも高めます。
また、不適切な噛み合わせにより残存歯に異常な力が加わると、その歯の動揺や破折を引き起こす可能性もあります。部分入れ歯の場合、クラスプ(金属のバネ)がかかっている歯に過度な負荷がかかることで、その歯の寿命を縮める原因となるケースもあります。
顎関節と筋肉への影響
噛み合わせの不調和は、顎関節症の発症リスクを大幅に高めます。
入れ歯の高さが合わない状態で無理に噛み続けることで、顎関節に異常な負荷がかかり、関節円板のずれや関節の変形を引き起こす可能性があります。これにより、口の開閉時に痛みやクリック音が生じたり、開口制限が起こったりすることがあります。
また、噛み合わせが悪く咀嚼筋の緊張状態が続くと、筋肉の疲労や痛みが慢性化します。特に、側頭筋や咬筋の過緊張は、頭痛や肩こりの原因となることも珍しくありません。
このような筋肉の緊張は、夜間の歯ぎしりや食いしばりを誘発し、さらに症状を悪化させる悪循環を生み出すことがあります。
消化器系への影響
適切に噛み合わない入れ歯では、食べ物を十分に咀嚼することができません。
胃は本来であれば細かく砕かれた食べ物を消化するため、咀嚼不足の大きな食べ物の塊を処理するには多くの胃酸と時間が必要となり胃腸への負担が大幅に増加します。これにより胃もたれ、胸やけ、消化不良などの症状が現れやすくなります。
また、栄養の吸収効率も低下するため、必要な栄養素を十分に摂取できない状態が続くと、全身の健康状態にも悪影響を及ぼしかねません。高齢者の場合、このような消化器系の問題は体力低下や免疫力の減少につながる可能性があります。
全身への影響
噛み合わせの問題は全身の健康にも大きな影響を与えることがあります。
顎の位置の異常は、頭部の姿勢バランスを崩し、首や肩の筋肉に過度な緊張を生じさせます。これにより慢性的な肩こりや首の痛み、頭痛が発生し、日常生活の質を大きく低下させることがあります。
審美面や精神面への影響
噛み合わせの悪い入れ歯は、見た目にも影響を及ぼすことがあります。口元が不自然に見えたり、顔の輪郭が変わったりするケースもあるでしょう。
また、うまく発音できなくなることで人との会話をためらうようになり、コミュニケーションに消極的になることも少なくありません。さらに、食事や会話が楽しくないと感じるようになると、精神的なストレスが蓄積し、生活の質が著しく低下する可能性も考えられます。
入れ歯の噛み合わせが悪くなる原因
入れ歯の噛み合わせが悪くなる原因は多岐にわたります。これらの原因を理解することで、問題の予防や早期発見につながります。
調整が不足している
入れ歯は、精密にお口の型を取って製作します。
しかし、新しく作った入れ歯は、お口の中の複雑な動きや筋肉などとの調和に時間がかかります。実際に食事や会話をしてみると、わずかなズレや違和感が生じ噛み合わせが悪く感じることがあるのです。
そのため、何度か調整を重ねてご自身の顎の動きや噛み癖に馴染ませていく必要があります。
経年変化による影響
入れ歯を長期間使用していると、経年変化により噛み合わせが徐々に悪くなることがあります。最も大きな要因は歯槽骨(歯を支える骨)の吸収です。
歯を失った後の歯槽骨は、噛む力の刺激がなくなることで時間とともに吸収され、歯茎の形態が変化していきます。この変化により、製作時にはぴったりと適合していた入れ歯も次第に合わなくなり、噛み合わせにも影響を与えます。
また、人工歯の摩耗も重要な要因の一つです。毎日の使用で人工歯が摩耗し、本来の形態を失うことで噛み合わせの高さが低くなったり、咬合関係が変化したりします。
さらに、入れ歯の床部分(ピンクの部分)の変形や亀裂も、長期使用により生じる問題です。温度変化や咬合力により床にストレスがかかり続けると、微細な変形や亀裂が生じ、これが噛み合わせの変化につながることがあります。
残存歯の状態が変化した
患者さまの口腔内環境の変化も、入れ歯の噛み合わせに大きな影響を与えます。残存歯の状態変化は特に重要で、虫歯や歯周病の進行により残存歯の位置が変わったり、抜歯が必要になったりすると、入れ歯の適合性や噛み合わせが大きく変化します。
使用方法や管理の問題
患者さまの入れ歯の使用方法や日常的な管理方法も、噛み合わせの問題に関係することがあります。入れ歯の位置がずれた状態で装着して使用を続けると、本来の噛み合わせとは異なる状態で咀嚼することになり、これが習慣化すると問題となります。
また、清掃不良により入れ歯の表面に汚れや歯石が付着すると噛み合わせの高さを変化させる原因になります。特に、咬合面への汚れの付着は、直接的に噛み合わせに影響を与えるため注意が必要です。
入れ歯装着時に噛み合わせが悪いと感じたときの対処法
入れ歯の噛み合わせに問題を感じた場合、適切な対処を行うことが重要です。自己判断での処置は危険な場合もあるため、正しい対処法を理解しておきましょう。
入れ歯の状態をチェックする
入れ歯の表面に食べ物のカスなどが付着していると、噛み合わせに影響を与えることがあります。専用のブラシを使いきれいに洗浄してみましょう。また、人工歯の欠けやヒビ、床部分に目に見える変形がないかなども確認してみてください。
さらに、入れ歯を装着したときのわずかな浮きやガタつきでも噛み合わせの不調につながることがあります。どこかに浮きやガタつきがないか、指で軽く押して確認してみましょう。
痛みや違和感がある場合、その場所をメモしておくと、歯科医師に症状を伝える際に役立ちます。
歯科医院で調整してもらう
噛み合わせの問題を感じた場合、最も重要なのは速やかに歯科医院を受診することです。
歯科医師は噛み合わせの状態や入れ歯の適合性をチェックし、必要に応じて調整や修理を行います。これにより、わずかな段差や傾きが解消され、日常生活が格段に快適になることも少なくありません。
入れ歯の再製作が必要になることもありますが、複数の問題が複合している場合には、新しい入れ歯を製作することが最も確実な解決策となります。
応急的な対処法
歯科医院を受診するまでの間、症状を軽減するための応急的な対処法もあります。
ただし、これらは一時的な措置であり、根本的な解決には歯科医師による治療が必要であることを理解しておかなければなりません。例えば、噛むと外れやすいなどの症状がある場合、市販の入れ歯安定剤を使用することで一時的に安定性を改善できるかもしれません。
また、炎症や潰瘍があり強い痛みがある場合は、無理に使用を続けると症状が悪化する可能性があるため、入れ歯の使用を一時的に中止したほうが良いでしょう。あまり長期間外していると噛み合わせが悪化することもあるため、できるだけ早く歯科医院を受診してください。
予防的なケア方法
入れ歯の噛み合わせの問題を予防するためには、日常的な適切なケアが欠かせません。食後は入れ歯を外して流水でよく洗い、専用のブラシと洗浄剤を用いて丁寧に清掃しましょう。
また、定期的な歯科検診も非常に重要です。問題が小さいうちに発見し、適切な処置を受けることで、大きなトラブルを防げます。一般的には3ヶ月から6ヶ月に一度の定期検診が推奨されていますが、個人の状況に応じて歯科医師と相談して頻度を決めることが大切です。
さらに、入れ歯を使用している際の食事方法にも注意が必要です。
硬い食べ物や粘着性の高い食べ物は、入れ歯に過度な負荷をかけたり、位置をずらしたりする原因となります。食べ物を小さく切って、両側で均等に噛むよう心がけることで、入れ歯への負荷を分散させられます。
まとめ
入れ歯の噛み合わせが合わない状態を放置することは、お口の中だけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。噛みにくいと感じたり、痛みや違和感があったりする場合は、まずは入れ歯の状態をセルフチェックし、早めに歯科医院を受診することが大切です。
入れ歯を検討されている方は、埼玉県川口市、「東川口駅」より徒歩8分にある歯医者「河野歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、患者様の求める治療を実現することを第一に考えて診療を行っています。虫歯・歯周病治療だけでなく、予防歯科や審美歯科、矯正治療など、さまざまな治療に力を入れています。
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