こんにちは。埼玉県川口市、「東川口駅」より徒歩8分にある歯医者「河野歯科クリニック」です。
子どもの歯並びが気になると考えている保護者の方は多いのではないでしょうか。小児矯正で使用される装置のひとつに急速拡大装置があります。
乳歯と永久歯が混在している時期に使用され、永久歯がきれいに並ぶスペースを確保するための装置です。適切なタイミングで使用することで、顎の成長を促すことができます。
今回は、急速拡大装置の特徴について解説します。メリットやデメリット、費用、使用する際の注意点についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
急速拡大装置とは
上顎の横幅を広げて、永久歯をきれいに並べるスペースを確保するために使用される装置です。装置の中央部分にあるネジを回すことで、徐々に上顎の幅を広げていきます。
上顎の骨はもともと左右2枚の骨からできており、10歳前後に結合するといわれています。顎の骨が成長中のお子さんが使用することで、効率的に上顎の幅を広げることができるのです。骨が離開したあとは、新しい骨が徐々にできて安定するので心配ありません。
急速拡大装置のメリット
以下に、主なメリットをまとめています。矯正治療を始める前にしっかりチェックしておきましょう。
矯正治療の効率が向上する
永久歯と乳歯が混在する混合歯列期にこの装置を使用することで、効率的に上顎の幅を広げることができます。また、将来的に生えてくる永久歯のための十分なスペースを確保できるのもメリットのひとつです。
短期間で治療の効果が得られることが多いため、装置を装着するお子さんや管理する保護者の方の負担も軽減されるでしょう。
抜歯を回避できる
歯並びの乱れの多くは、歯の大きさと顎の大きさがアンバランスであることによって生じます。
上顎の幅を広げることで永久歯が並ぶスペースを確保できれば、抜歯を回避できる場合があるのです。将来的な抜歯を回避するためには、適切なタイミングで小児矯正をスタートさせることが重要です。
呼吸の改善につながる
上顎の幅を広げるとそれに伴って鼻腔も広くなります。これによって、口呼吸だった子どもも鼻で呼吸しやすくなるのです。口呼吸は歯並びに影響を及ぼす原因のひとつです。口呼吸から鼻呼吸へ改善できれば、歯並びが乱れるのを防ぐことができます。
また、口で呼吸をしていると口内が乾燥して細菌が繁殖しやすくなります。これによって、虫歯や歯周病になるリスクが高まるのです。
しかし、口呼吸を改善できれば、虫歯や歯周病のリスクを抑えることができます。
急速拡大装置のデメリット
矯正治療を受ける際は、メリットだけでなくデメリットについてもしっかり理解しておきましょう。
不快感や痛みを伴う可能性がある
装置を装着すると痛みや不快感を覚えることがあります。装置の装着直後は特に痛みが出やすいです。数日〜1週間程度で痛みや不快感は落ち着くケースがほとんどですが、日常生活に支障が出るほど激しい痛みが続く場合は、早めに担当の歯科医師に相談しましょう。
装置が目立つことがある
急速拡大装置は固定式の装置です。臼歯に金属のリングをつけ、上顎にはネジが取り付けられたプレートを装着します。そのため、口を開けた際に装置が見えることがあるのです。
特に、金属部分は会話をするたびに目に付きやすく、思春期のお子さんにとってはストレスにつながることがあるかもしれません。
取り外しできない
急速拡大装置は固定式の矯正装置で、装着後は患者様自身で取り外せません。そのため、食事をするときや歯磨きをするときに不便さを感じることがあるでしょう。また、硬い食べ物や粘着性の高い食べ物を口にすると装置が破損することもあります。
装置の破損を防ぐためにも、粘着性の高い食べ物や硬い食品は避けるようにしましょう。また、装置の周辺には食べかすなどの汚れが溜まりやすいです。自宅での歯磨きですべての汚れを落とすことは難しいため、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることも大切です。
発音しづらくなる
急速拡大装置は上顎に固定するため、発音しにくいと感じることもあるでしょう。また、食べ物や飲み物を飲み込みにくいと感じることもあるようです。
しかし、子どもは適応能力が高いです。多くの場合、数週間程度で慣れることがほとんどでしょう。意識的に発声練習を行うなど、適切な対策を取りつつ治療を進めていきましょう。
急速拡大装置を使用して治療する場合の費用
急速拡大装置を使用した治療は、保険適用の対象になりません。自由診療となるため、歯科医院によって料金体系が異なります。一般的には3万~5万円程度が相場ですが、治療の進め方や歯並びの状態などによって金額が変動するため、事前に確認しておきましょう。
また、矯正治療中は定期的に歯科医院を受診して経過を確認してもらう必要があります。そのため、装置本体の費用以外に定期通院の費用がかかる場合があるのです。1回あたりの費用は3,000円〜5,000円程度です。
なかには、定期検診の費用が別でかからない歯科医院もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
急速拡大装置を使用するときに注意すること
急速拡大装置は適切に管理しなければなりません。以下の点に注意しましょう。
下顎には使用できない
上顎にのみ使用できる装置なので、下顎の矯正治療には使用できません。上顎のみ狭い場合は対応できますが、下の顎が狭い場合は、別の治療を検討する必要があります。
しっかりと歯磨きをする
急速拡大装置は固定式の装置です。歯磨きをするときにも取り外すことができません。装置の周りには食べかすなどの汚れが溜まりやすく、ケアを怠ると、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。そのため、日々しっかりと歯磨きをすることが大切なのです。
装置周辺の細かい部分には歯ブラシが届きにくいため、デンタルフロスや歯間ブラシも併用しましょう。また、保護者の方が仕上げ磨きをしてあげることも大切です。
粘着性の高い食べ物や硬い食べ物は控える
キャラメルやガムのような粘着性の高い食べ物は装置に絡みやすく、取り除くのが難しいです。また、ナッツや煎餅のような硬い食べ物を噛むと、装置に過度な負担をかけ、変形・破損することがあります。
装置が変形・破損すると計画通りに治療が進まないだけでなく、追加の費用が発生する可能性があります。そのため、粘着性の高い食べ物や硬い食べ物は控えることが推奨されるのです。
歯科医師の指示どおりにネジを回す必要がある
装置の中央についたネジを回すことで上顎の幅を広げていきます。歯科医師の指示どおりにネジを回さないと、計画どおりに治療が進みません。また、ネジを回しすぎると、痛みが生じたり過度な負担がかかったりすることがあります。
回し忘れを防ぐためには、カレンダーなどで管理するとよいでしょう。装着中に強い痛みや違和感がある場合は、早めに歯科医院を受診してください。
理想通りの歯並びになるとは限らない
急速拡大装置を使用し、上顎の幅を拡大することで、永久歯がきれいに並ぶスペースを確保できます。
しかし、歯1本1本を移動させて歯並びを整えるものではありません。そのため、永久歯の歯並びや噛み合わせを整えるためには、二期治療が必要になります。
定期的に検診を受ける必要がある
矯正治療中は定期的に歯科医院で検診を受ける必要があります。定期検診では、計画どおりに治療は進んでいるか、装置に不具合はないか、お口の中にトラブルは起こっていないかなどを確認します。
万が一、トラブルが起こっていても、定期的に検診を受けていれば、早期に対処できるのです。
急速拡大装置の周辺には食べかすが付着しやすく、どれだけ丁寧に歯磨きをしても全ての汚れを落とすことは難しいといわれています。歯科医院では、専用の器具を使用して装置周辺に付着した汚れも落とします。そのため、お口の中を清潔な状態に保ちながら治療を進められるのです。
まとめ
急速拡大装置とは、顎の骨が成長途中にある子どもに使用される装置です。上顎に装着し、ネジを回すことで上顎の幅を広げていきます。これによって永久歯が並ぶスペースを確保することができるのです。適切な時期に使用することで、短期間で効果を発揮します。
ただし、下顎を拡大することはできません。治療を検討している場合は、特徴をしっかり理解したうえで早めに決断することが重要です。
小児矯正を検討されている方は、埼玉県川口市、「東川口駅」より徒歩8分にある歯医者「河野歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、患者様の求める治療を実現することを第一に考えて診療を行っています。虫歯・歯周病治療だけでなく、予防歯科や審美歯科、矯正治療など、さまざまな治療に力を入れています。
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