こんにちは。埼玉県川口市、「東川口駅」より徒歩8分にある歯医者「河野歯科クリニック」です。

床矯正(しょうきょうせい)は、顎の成長をコントロールしながら歯を並べるスペースを確保する方法です。取り外し可能な装置を使用することから、多くの保護者の方が選択肢の一つとして検討しています。
しかしながら、床矯正はすべての症例に適しているわけではなく、実際に「失敗した」「期待した効果が得られなかった」と感じるケースも存在します。誤った理解や、装置の使用方法を守らないことが原因で、トラブルに発展することも少なくありません。
今回は、床矯正で失敗したケースや失敗を防ぐために大切なことについて解説します。小児矯正を検討されている保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
床矯正とは

床矯正とは、主に成長期の子どもを対象に行われる矯正治療の一種です。固定式ではなく取り外しが可能な装置を使って顎の成長をコントロールします。
使用する装置の中央にはネジがあり、それを定期的に回すことで少しずつ顎の幅を広げていきます。顎の幅を広げることで、歯がきれいに並ぶスペースを確保するのが目的です。
特に乳歯から永久歯に生え変わる時期に効果を発揮しやすいため、小児矯正においてよく用いられています。
床矯正では、矯正装置の管理や使用時間を患者さん自身(または保護者の方)が行う必要があります。適切に使用すれば大きな成果が期待できますが、誤った使い方や適応外の症例では思うような効果が得られないこともあります。
そのため、治療開始前に十分な説明を受け、納得したうえで選択することが大切です。
床矯正で失敗したというケース

床矯正は正しく行えば効果的ですが、実際には「うまくいかなかった」「想定していた結果と違った」と感じる人もいます。ここでは、床矯正で失敗したケースについて解説します。
虫歯や歯周病になった
床矯正の装置は口の中に密着する構造になっているため、汚れがたまりやすく、清掃が不十分になると虫歯や歯周病の原因となります。特に子どもの場合、自分できちんと歯磨きや装置の洗浄ができないことが多く、口腔内の衛生状態が悪化しやすくなります。
また、装置を装着したまま飲食したり、装置の手入れを怠ったりすると、細菌が繁殖しやすくなります。床矯正の治療中に虫歯が進行すると、治療を中断せざるを得ないケースもあるでしょう。
このような事態を防ぐためには、装置の取り扱いについて歯科医師から正しい指導を受けること、そして保護者の方が日々のケアをサポートすることが非常に重要です。
噛み合わせが悪くなった
床矯正の治療後に「歯並びはある程度整ったものの、噛み合わせが悪くなった」と感じるケースもあります。これは、床矯正の性質や治療計画の立て方によって起こり得る失敗の一つです。
床矯正は顎の幅を広げることで歯が並ぶスペースを確保する治療ですが、上下の顎のバランスや、左右の噛み合わせの位置まで細かく調整することは難しい場合があります。
装置によって無理に顎の形や位置が変化すると、顎関節に負担がかかり、顎の痛みや食べづらさといった不快な症状が出ることもあります。
このような噛み合わせのトラブルを防ぐには、床矯正の限界をきちんと理解したうえで治療を進める必要があります。また、定期的に歯科医師が噛み合わせの状態を確認し、必要に応じてほかの矯正治療を組み合わせるケースもあるでしょう。
後戻りを起こした
床矯正で一時的に歯並びが整っても、治療後に歯が元の位置に戻ろうと動く後戻りは非常によくある問題です。
後戻りの原因としては、舌で歯を押す癖、口呼吸といった日常の悪習慣が挙げられます。また、顎の骨が安定する前に装置の使用を終了してしまうと、歯が自然と元の位置に戻ろうとする力が働きます。
歯並びを維持するためのアフターケアも、矯正治療の一環と捉えるべきでしょう。
治療期間が予定より長くなった
床矯正では、当初の予定よりも治療期間が大幅に長引くケースが少なくありません。
その主な原因は装着時間の不足です。1日に決められた時間きちんと装着していないと、効果が出にくくなり、矯正の進行が遅れてしまいます。また、顎の骨の状態や成長のスピードによっても治療期間は変動します。
歯科医師の説明が不十分だった場合「こんなに長くかかるとは思わなかった」と不満を感じる患者さんもいます。あらかじめ治療期間に幅があることを理解しておくことが重要です。
床矯正での失敗を防ぐには

床矯正で満足のいく結果を得るためには、治療開始前の正しい判断と、治療中の適切な行動が非常に重要です。ここでは、よくある失敗を未然に防ぐために意識したいポイントを具体的に解説します。
信頼できる歯科医院を選ぶ
床矯正を成功させるためには、信頼できる歯科医院を見つけることが大切です。床矯正はシンプルに見えて、実は成長期の顎の発育や個々の噛み合わせを正確に診断・管理する高度な知識と経験が求められます。すべての歯科医師が床矯正に精通しているわけではありません。
治療実績や専門性があるかどうか、初診時に詳しく説明してくれるか、患者さんの疑問や不安にしっかり向き合ってくれるかなどを確認することが大切です。できれば複数の歯科医院でカウンセリングを受け、お子さんに合った治療方針を示してくれるところを選びましょう。
歯科医師の指示を守る
床矯正の治療効果は、装置の使い方や日常の習慣が正しく守られてこそ得られるものです。装置を装着する時間、ネジを回す頻度、食事や装置の取り扱い方など、歯科医師からの細かな指示をしっかり守ることが、スムーズな治療とトラブルの予防につながります。
床矯正では取り外し可能な装置を使用するため、使用時間が不十分だったり、管理方法を怠ったりすると、治療が長引いたり、効果が出なかったりする可能性があります。また、誤った使い方を続けた結果、噛み合わせにズレが生じることもあるため注意が必要です。
子どもが治療を受ける場合は、保護者の方のサポートが欠かせません。毎日の装着状況を確認することで、子どもが無理なく習慣として治療に取り組めるようになります。
指示をただ守るだけでなく、なぜ必要なのかを理解し、家庭全体で取り組む姿勢が、床矯正の成功を大きく左右します。
定期的に歯科医院でチェックを受ける
床矯正の治療を順調に進めるためには、歯科医院での定期的なチェックが欠かせません。床矯正の装置は使用状況や顎の成長に応じて細かく調整が必要なため、自己判断だけで進めると、顎の拡大に偏りが生じたり、噛み合わせがズレたりすることがあります。
とくに子どもの場合は、顎の成長が急速に進むため、前回の診察から短期間で治療計画の見直しが必要になることもあります。また、装置の破損や使い方の間違いがあったとしても、本人や保護者の方が気づきにくいケースも多く、専門的な視点での確認が非常に重要です。
定期的な通院を怠ると、装置の調整が遅れ、治療期間が延びるだけでなく、後戻りや噛み合わせの悪化といった問題を引き起こすことにもつながります。トラブルを未然に防ぎ、確実に成果を得るためにも、歯科医師の指示に従って定期的に受診しましょう。
床矯正のメリットとデメリットを把握しておく
治療を受ける前には、床矯正のメリットとデメリットの両方を正しく理解しておくことが大切です。良い点ばかりを強調されて治療を始めた結果、想定していなかったデメリットに直面して後悔するケースもあります。
例えば、装置の管理を自分で行う必要があることや、治療期間が長くなる可能性があることなど、事前に説明を受けておくことで、トラブルや不満を未然に防ぐことができます。
また、複数の矯正方法と比較し、床矯正がお子さんに適しているのかを判断することも重要です。メリットとデメリットのバランスを理解し、納得したうえで治療を開始しましょう。
まとめ

床矯正は、顎の成長を利用して歯が並ぶスペースを確保する矯正治療であり、特に成長期の子どもにとって有効な方法とされています。装置が取り外せて管理しやすいことから、多くのご家庭で選ばれています。
しかし、床矯正は歯を直接動かして歯並びを整える治療ではなく、顎の拡大を主な目的としている点を理解しておく必要があります。また、装着時間や使用方法を守らなければ期待する効果は得られず、虫歯や噛み合わせの乱れといったトラブルを招く可能性もあります。
床矯正で満足のいく結果を得るためには、信頼できる歯科医師のもとで治療を進めること、正しい使い方を継続することが重要です。正しい知識と十分な準備があれば、床矯正は効果的な選択肢の一つとして、大きな成果をもたらしてくれるでしょう。
小児矯正を検討されている方は、埼玉県川口市、「東川口駅」より徒歩8分にある歯医者「河野歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、患者様の求める治療を実現することを第一に考えて診療を行っています。虫歯・歯周病治療だけでなく、予防歯科や審美歯科、矯正治療など、さまざまな治療に力を入れています。
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