こんにちは。埼玉県川口市、「東川口駅」より徒歩8分にある歯医者「河野歯科クリニック」です。
フッ素塗布とは、歯科医院で受けられる予防処置のことです。市販されているものよりも高濃度のフッ素を歯に直接塗布することで、虫歯の予防や初期虫歯の修復を目指します。
しかし、これまでフッ素塗布を受けたことがない患者さまにとっては、施術のイメージがつきくにいかもしれません。
今回は、フッ素の効果や施術の流れ、施術を受けるときの注意点、施術を受ける頻度や費用などについて解説します。歯科医院での予防処置を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
フッ素の効果
フッ素の効果は、以下の3つです。
歯質を強くする
1つ目の効果は、歯質を強くすることです。歯の表面のエナメル質はリン酸カルシウムと呼ばれる硬い物質でできていますが、虫歯菌が出す酸に触れると次第に溶かされていきます。
フッ素塗布を行うことにより、虫歯菌が出す酸に溶けにくい強い歯質を作れます。
細菌を抑制する
2つ目は、細菌の抑制です。口の中に存在する虫歯菌は、食べ物に含まれる糖分をエサとして増殖します。そのため、甘い飲食物を多く摂っていると、細菌が繁殖して酸が多く酸性されます。
フッ素には、虫歯や歯周病の原因となる細菌の増殖を抑える効果があるため、結果的に放出される酸の量を減らすことが可能です。原因菌の増殖を抑えることにより、虫歯になりにくい口内環境を作り出せるのです。
再石灰化を促進する
3つ目の効果は、歯の再石灰化です。再石灰化とは、細菌によって溶かされたエナメル質を修復する働きのことを指します。フッ素を塗布することでエナメル質の再石灰化が促されるため、初期虫歯の改善が見込めるでしょう。
歯科医院で行うフッ素塗布の流れ
フッ素を含むハミガキ粉やマウスウォッシュは多く市販されていますが、歯科医院で取り扱うものと市販のものとでは濃度が異なります。フッ素の濃度はppmという単位で表され、市販のものは900ppm~1,450ppm程度に対し、歯科医院のものは9,000ppm程度あります。
フッ素濃度が高ければ高いほど、優れた予防効果が期待できます。そのため、歯科医院でフッ素塗布を受ける方や、フッ素塗布を検討する方が増えています。
ここでは、歯科医院での施術の流れについてみていきましょう。
診察
フッ素塗布を目的として受診された場合でも、始めに口腔内の状態を確認します。虫歯や歯周病を発症していることも考えられるため、正確に状況を確認する必要があります。
前回の診察から数ヵ月経っただけでも、口内環境の悪化がみられるケースもあるでしょう。状況によっては他の治療を優先すべきケースもありますので、診察を受けることは非常に重要です。
歯のクリーニング
フッ素の浸透をよくするために、歯のクリーニングが行われます。専用のクリーニング機器を使用して、プラークや歯石を丁寧に除去します。
乾燥
フッ素を塗布する前に、歯を乾燥させるのが一般的です。歯の周囲に付着した唾液や水分を、コットンなどで吸収します。
フッ素塗布
フッ素塗布の方法は歯科医院によって異なり、綿球や歯ブラシなどを用いる方法や、マウスピースを装着して歯面全体に浸透させる方法などがあります。歯の表側や裏側だけでなく、歯と歯のすき間や根元にも丁寧に塗布します。
拭き取り
フッ素を塗布した後は、拭き取りを行って施術終了です。
歯科医院でフッ素塗布を受けるときの注意点
歯科医院でフッ素塗布を受けるときには、以下の点に注意しましょう。
フッ素を飲み込まない
歯科医院で使用するフッ素は安全性の高いフッ化ナトリウムですので、適切な量を歯に塗布するだけで影響が出ることはありません。
しかし、大量に飲み込んだ場合には、中毒症状を引き起こす恐れがあります。中毒になると、吐き気や嘔吐、下痢などの腹部症状が現われます。少し飲み込んだ程度で中毒を起こすとはありませんが、塗布後しばらくは、唾液は飲み込まずに吐き出すほうがよいでしょう。
塗布後30分は飲食やうがいを控える
フッ素を塗布した後、すぐに飲食やうがいをすると、成分が流されて効果が得られなくなる可能性があります。塗布してから30分程度は、うがいや飲食を控えるようにしましょう。
定期的に受ける
フッ素塗布は、1回受けただけで効果を発揮するものではありません。十分な予防効果を得るためには、定期的に塗布を受ける必要があります。
フッ素だけで虫歯の完全予防はできない
「フッ素を塗れば虫歯にならない」と思っている患者さまもいるかもしれませんが、予防処置を受けたからといって虫歯を完全に防げるわけではありません。虫歯を防ぐためには、適切なセルフケアや食生活の見直し、歯科医院での定期的なクリーニングも重要です。
フッ素だけで虫歯を治すことはできない
先に述べた通り、エナメル質の表面がわずかに溶かされただけの初期虫歯であれば、フッ素塗布と適切なブラッシングで改善が見込めることもあります。
しかし、大きく穴が開いた状態の虫歯にフッ素を塗布しても、治すことはできません。虫歯の進行状況によって、適切な治療を受ける必要があることを理解しておきましょう。
歯科医院でフッ素塗布を受ける頻度
フッ素の効果の持続期間は3ヵ月~6ヵ月程度ですので、3ヵ月~6ヵ月に1回の頻度がひとつの目安になります。
ただし、フッ素塗布を受ける適切な頻度は、口腔内の状態によって異なります。例えば、初期虫歯があるケースや乳歯から永久歯への生え変わりの時期などでは、頻度が高くなることがあります。
患者さまにあったフッ素塗布の頻度を知るためには、まず歯科医院で診察を受けることが必要です。
歯科医院でフッ素塗布を受ける場合にかかる費用
フッ素塗布は、治療ではなく予防処置ですので保険適用外でしたが、最近では保険適用内で受けられるようになっています。1回あたり500円~3,000円程度で受けられることが一般的です。
費用が気になる方は、事前にかかりつけの歯科医院へ確認するとよいでしょう。
自宅でのケアにもフッ素を取り入れる
市販のフッ素は歯科医院で扱うものよりも低濃度ですが、毎日使うことで予防効果を発揮します。ここでは、自宅で使えるケア用品を確認しましょう。
ぜひ毎日のケアに取り入れて、効果的に虫歯を予防してください。
ハミガキ粉
フッ素が配合された歯磨き粉は、自宅でのケアに取り入れやすいです。日本で販売できる最も高い濃度のものは1,450ppmですので、ハミガキ粉を選ぶ際には、濃度に着目するのもよいでしょう。
フッ素の成分が口の中に残るようにしたほうが予防効果が得られますので、口をゆすぐのは1~2回程度に留めてください。ハミガキの後、30分程度は飲食を控えるのもポイントです。
ジェル
フッ素ジェルは、ハブラシにつけて歯に塗り広げるように使用します。ゴシゴシと磨く必要はありませんので、歯に塗布してください。ジェルタイプには様々なフレーバーがあるため、小さなお子さまでも抵抗なく使用できるでしょう。
マウスウォッシュ
ハミガキ粉やジェルの他には、マウスウォッシュもあります。マウスウォッシュは、ハミガキ後に口に含んでブクブクうがいをするだけですので、手軽に使用できます。
ただし、マウスウォッシュは歯磨きの代わりにはなりません。歯磨き後に使用するアイテムとして活用しましょう。
まとめ
本記事では、フッ素の効果や施術の流れ、施術を受けるときの注意点、頻度や費用などについて解説しました。フッ素塗布は、歯質の強化や細菌の抑制、再石灰化の促進などに効果を発揮するため、虫歯の予防に役立ちます。
歯科医院で扱われるフッ素は市販のものよりも濃度が高いため、定期的に受けることによって高い予防効果が期待できるでしょう。
しかし、予防処置だけで虫歯を完全に防ぐことはできません。お口のトラブルを防ぐためには、毎日の丁寧なセルフケアや生活習慣や食習慣の見直し、定期的な歯科検診なども重要です。
歯科医院で受けられる予防処置について詳しく知りたい方は、歯科医院へご相談ください。
歯科医院でのフッ素塗布を検討されている方は、埼玉県川口市、「東川口駅」より徒歩8分にある歯医者「河野歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、患者様の求める治療を実現することを第一に考えて診療を行っています。虫歯・歯周病治療だけでなく、予防歯科や審美歯科、矯正治療など、さまざまな治療に力を入れています。
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